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キャットフードのにおいが落ちると食べなくなる?

キャットフードは、特にドライタイプは開封直後はかなり強いにおいがあります。
ですが、空気に触れるなど保存状態が悪かったり、開封から時間が経ち過ぎたものはにおいも弱く、猫によってはこうしたフードを嫌う場合もあるようです。
猫にとって食べ物のにおいは、舌に感じる味にも増して食欲をそそる要因となっているのです。

ですから、猫がにおいの弱くなったフードを毛嫌いするのは無理もないことなのです。
これは我々人間が、いかに総合的な栄養素が含まれたサプリメントでも、味がなければ美味しいと感じないのと同じことです。
人間の場合は身体に良いから、一日分の栄養素が手軽に摂れるからという知識によって味のないものでも口にしますが、猫にはそんなことはできません。
においのなくなったフードは猫にとって魅力のある食べ物ではないのです。

こうしたフードをムダにしないため、ティーバック状の袋に入れた鰹節などと一緒に保存してにおいを移らせ、猫の食欲を誘うという方法もあるようですが、あまり感心はできません。
なぜならにおいが飛んでしまったということは保存状態の悪さや開封から時間が経ったことの証明であり、酸化等によって栄養素の成分が劣化している可能性が高いからです。
また、カビやホコリダニなどが繁殖している場合もあります。
猫はそれらの発する異臭を感じてフードを避けている可能性もあります。
もしにおいの飛んでしまったフードににおい付けして食べさせる場合は、事前にフードを良く観察してください。
カビの胞子やダニは小さく、ちょっと見ただけではわからない場合もあるからです。

こうした猫とにおいの関係は、フードの切り替え時に利用することもできます。
デリケートな性格の猫ちゃんは、フードのにおいが急に変わると警戒して口にしない場合もあります。
そんな時は以前から食べていたフードに、少量の新しいフードを混ぜ、においを紛れさせてしまうのです。
毎日少量ずつ徐々に新しいフードの分量を増やしていけば、猫はにおいの変化を意識せず、以前と変わらない食欲を示すという事例は数多く報告されています。
味覚より嗅覚、これが現段階での猫の食欲に関する見解のようです。

嗅覚というと私たちは真っ先に犬を思い浮かべてしまいますが、それは犬が嗅覚を使って人間のサポートをしている場合が多いのでそう感じるだけで、実際は猫もそうとう鋭い嗅覚を持っているのです。
においの飛んだフードは猫にとって味のない料理と同じです。
愛猫の健康のためにも、フードのにおいが飛んでしまうような保存方法をしてしまったり保存期間の過ぎてしまったフードは、できるだけ避けるようにしましょう。